ABORD TT009 テーブル デザインストーリー|視覚と触覚がシンクロする美しさ
ABORDから新たにリリースされたTT009 は、高い質感や品格が求められるインテリア空間のニーズに応える、ユニークな質感を持つテーブル天板です。
このテーブル天板に使われているメラミン化粧板は、一見すると木材と見紛うほどの質感を持ちながら、木にはない高い耐久性やコストパフォーマンスを備えているそうです。
TT009は、こうした素材の魅力を最大限に生かしながら、洗練された空間に自然と溶け込むようデザインされています。
このテーブルに込められた素材の秘密や、このデザインが生み出された背景について、デザイナーの佐藤さんに語っていただきました。
TT009。「見る」と「触れる」がシンクロして、ユニークなテーブルが生まれる
テーブル席に着席していると、テーブル天板は視界のかなりの部分を占めますし、手や指先、腕などで触れる機会も多くなります。
そこでABORDの新作テーブル天板TT009では、そこに座る人が見て、触れて、「非日常」つまり特別な感覚を味わえるようにデザインしました。
TT009を画像で見ると、木材を特殊な塗装で仕上げているように見えるかもしれませんが、実際に触れてみると木材とは異なる素材であることに気づいていただけると思います。このように、見た目には美しい木材の突板のようでありながら、触れると木ではない、「あれっ?」と思う不思議な感覚が、ABORDを形作る大切なキーワードの一つ「非日常」に繋がると考えます。
このユニークな質感を生み出しているのは「同調エンボス加工メラミン」という特殊な素材です。
TT009はメラミン樹脂から作られた「メラミン化粧板」の一種を採用しています。それでも自然で、本物の木のようになめらかでぬくもりのある表情を持っているのは「同調エンボス加工」という特殊な加工によるものなんです。
同調エンボス加工とは、木目柄とエンボス加工(表面の凹凸)が完全に一致するように設計された加工技術です。これにより、木目の模様と触れた際の感触が見事に同調つまりシンクロし、見た目だけでなく触覚的にも本物の木を彷彿とさせるリアリティを実現しているんですね。
このようにして、TT009は「視覚」と「触覚」が不思議にシンクロするユニークな質感をもつテーブルに仕上がりました。インテリアに上質さだけでなく個性や驚き、触れて感じられるデザインを取り入れたいのであれば、このTT009はまさにその役割を果たす一枚になります。
この素材のおもしろさやメリット、そして可能性についてもう少しお伝えさせてください。
TT009はメラミン化粧板のメリットを受け継ぎながら、新鮮な価値観を生み出す
ご存じの方も多いかもしれませんが、メラミン化粧板自体はありふれた素材です。きっと近所のホームセンターなどでも手に入るでしょう。
メラミン化粧板には軽量でありながら耐久性が高いという、家具にうれしいメリットがあります。木材と比べてコスト的に導入しやすいですし、長期間にわたりほとんど変質・劣化せず長く使えるのでコントラクト家具としてはかなり有用な素材なんですね。
ただし、多くの人が「メラミン化粧板」にはチープな印象を持っているというのも事実です。実際にあまり高品質なインテリア空間では好まれない素材かもしれません。
とはいえ、家具のライフサイクルコストを抑える可能性を秘めた素材として以前からメラミン化粧板に注目し、高度な開発を進めていたんです。
TT009に採用したのはベルギー王国UNILIN社製のメラミン化粧板です。同社の製品は「本物の木の質感」に限りなく近いデザインを追求したシリーズとなっていて、光の反射、ツヤを極限まで抑えることで、チープさを全く感じさせない美しい天然木の突板のような質感に仕上げられています。
その高品質な仕上がりの秘密は「凹凸の深さのパターン」にあります。「同調エンボス加工」では高温・高圧プレス機でデザインとエンボスパターンが一致するように緻密な加工がなされます。TT009に採用したメラミン化粧板は、非常に精密な型を使用し、48もの異なるパターンを駆使して凹凸を形成するよう設計されているんです。このように、樹木の細胞の存在すら感じさせるような「木のリアリティ」を表現しているのです。
もちろん、人間の優れた感覚器官にとって本物の木とまったく同じ質感というわけではありませんが、見た目と感触の不思議な差異がこの素材のおもしろさ、魅力の一部になっているとも考えています。
この「同調エンボス加工」を追求していけば、木だけでなく石材の石目なども、より高度に再現することができるでしょう。「メラミン樹脂×異素材の質感」という組み合わせは、家具デザインの可能性をより広げるものとして大いに期待しています。
TT009の細部に至るこだわり|インテリアのプロにこそ注目してほしい「小口」の違い
TT009では2種類の小口タイプを選べるようになっています。テーブル天板の「小口」なんてほとんどの人は注目しない細部かもしれませんが、じつはテーブルの印象に大きな影響を与える部分でもあります。
まずTT009のAタイプの小口は「テーパーエッジ」つまりテーブルの縁(ふち)に向けて天板の厚みが薄くなる仕上げになっています。
またAタイプは小口の塗装を天板のマットブラックと同色の塗装しています。この工夫によって天板と小口の境目がシームレスに見えるはずです。それでタイプAは、スタイリッシュでモダンな印象を与えつつ、手が自然に馴染む形状で、より高級感を演出したいインテリア空間には特におすすめです。
TT009のタイプBは小口もメラミン化粧板仕上げとなっています。天板トップと小口のエッジ部分は面取り加工をして接着し、Aタイプよりリーズナブルな価格でご提供できるようになっています。
タイプBは構造上どうしてもエッジ部分でコア材(メラミン化粧板の基材)が露出してしまうのが大きな問題でした。このままではあまり美しくありません。試行錯誤を繰り返し、最終工程でエッジに着色処理を行うという方法で決着しました。このような工夫の結果も、実物で確認していただきたいポイントです。
ぜひ、細部にまでこだわって生み出したこの二つのタイプの違いを、インテリアコーディネートでうまく使い分けていただきたいですね。
空気感を引き立てる、TT009のコーディネートのアイデア
メラミン化粧板は耐久性にも十分な信頼を置けるので、あらゆるシーンで幅広く活用いただけます。特におすすめなのはレストランやバーなどの飲食シーンで、落ち着いた高級感が空間全体を洗練されたイメージに引き立ててくれるはずです。
また、ABORDにラインナップされているラウンジチェアとの組み合わせて、サイドテーブルとしてTT009を活用するのも非常に効果的だと思います。
たとえば、ゆったりとしたサイズ感でエレガントなシルエットが特徴の「S020」と合わせれば、リラックスした雰囲気を演出できます。一方で、シャープなフォルムが印象的なハイバックチェア「S005」との組み合わせなら、よりモダンで洗練されたスタイルが完成します。どちらもTT009のシンプルで上質なデザインが活きるコーディネートとして気に入っていただけると思います。
角のない丸テーブルは利用者の動線がより滑らかで自由になるので、少人数での利用やフレキシブルな空間を作りたい場合にも活躍するかもしれません。
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- 最終更新
- 2024.12.19