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COLUMNコラム

アルコール消毒液で家具が変色する?家具の消毒方法を素材別に解説

コロナ禍の影響で欠かせないアルコール消毒。手指はもちろん家具など身の回りの物も消毒される方は多いでしょう。
しかし家具の中には、アルコール消毒液で変色するものもあります。
見た目が大きく損なわれるため、大切な家具が変色してしまっては一大事ですよね。
どのような家具が、アルコール消毒液で変色してしまうのか解説します。感染リスクを抑えつつ大切な家具も守りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

アルコール消毒液への耐性は素材・塗装別に異なる

家具の素材や塗装によって、アルコール消毒液への耐性は異なります。さまざまな素材・塗装ごとの耐性を紹介します。

木材の塗装

木材の表面は、何らかの塗装が施されているのがほとんどです。塗装ごとにアルコール消毒液への耐性が異なるので、注意しましょう。

ウレタン塗装

木材表面に膜を作り、耐水性・耐摩耗性などを向上させる塗装です。湿気や汚れに強いため、水回りによく使われます。
アルコール消毒してもすぐに変化は起きにくいものの、消毒液の濃度や頻度、拭き取る圧力の強さによっては、塗膜が融解・軟化する恐れがあります。

ラッカー塗装

薄く滑らかな塗膜で、柔らかな光沢が特徴。建物の内装や外壁、輸入家具などによく使われ、耐摩耗性や耐油性、耐水性に優れます。
すぐに塗膜の融解・軟化が発生するので、アルコール消毒液の使用はおすすめできません。

水性塗料

油分の多い木材には浸透しにくく、木材の表面に塗膜を作るのが特徴です。
アルコール消毒液による変化は少ないものの、塗膜が劣化していきます。

オイルフィニッシュ

塗膜を作らず木材の内部へ浸透する塗料です。塗装が簡単なため、DIYでもよく用いられます。
アルコール消毒液による影響はわかりにくいのですが、木材への浸透が徐々になくなり塗装の耐久性が劣化していきます。

表面仕上材

家具表面を美しく整えるために使われる木材で、主にメラミン化粧板とポリ合板の2種類があります。

メラミン化粧板

メラミン樹脂で表面を覆った化粧板で、表面強度が高いのが特徴です。
アルコール消毒液への耐性は高いものの、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム液を使用する場合は、0.02〜0.05%ほどに希釈し、しっかりと水拭きする必要があります。

ポリ合板

ポリエステル系の合成樹脂が使用されており、表面強度はメラミン化粧板に劣りますが安価なため幅広く使用されています。
アルコール消毒液・次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウム液のいずれを使用しても、大きな異常は見られません。

イス張地

イス表面に使用されている素材で、ファブリック(布)やレザーが一般的です。

ファブリック

ファブリックの素材はポリエステルや綿、レーヨン、ウールなど多岐にわたります。
どの素材も収縮や溶解、劣化、色抜けなど劣化が発生するかもしれません。

PVC・PUレザー

いわゆる合皮やビニールレザーと呼ばれる素材です。
メーカーの張地見本帳に、耐アルコールと記載されていれば問題ありません。しかし記載のない製品は、アルコール消毒液により白いシミができてしまう可能性があります。
耐性表記がない製品には、アルコール消毒液を使用しないようにしてください。

金属

家具の脚部などには金属も使用されており、一般的にはスチール、アルミニウム、ステンレスなどが用いられます。

スチール

スチールを用いた家具には、一般的に粉体塗装やメラミン焼付塗装などが施されていますが、いずれもアルコール消毒液をはじめ次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム液による消毒は非推奨です。
どうしても消毒する場合は、消毒後にしっかりと乾拭き・水拭きの必要があります。

アルミニウム

アルコール消毒液に長時間漬けると腐食が発生しますが、スプレーで吹きかけて消毒する程度では問題ありません。
ただし、乾拭きして拭き取るようにしましょう。
要注意なのが次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液。前者は白い斑点が発生し、後者は塩素ガスが発生し腐食するので、使用しないでください。

ステンレス

アルコール消毒液に対する耐性はあるため、使用しても問題ありません。
ただし次亜塩素酸ナトリウム液は、一般的に市販されている約5%の濃度で使用すると錆びてしまいます。使用する場合は、0.05%程度まで希釈して使用してください。

樹脂

イスやラックなど樹脂製の家具には、ポリプロピレン・ポリエチレンやアクリルが使用されています。

ポリプロピレン・ポリエチレン

アルコール消毒液に対する耐性があるため、使用しても問題ありません。
次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム液にも耐性はありますが、しっかりと乾拭きや水拭きする必要があります。

アクリル

アルコール消毒液を使用すると白く変色するので、使用しないでください。
一方で次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム液に対しては耐性があるものの、乾拭きや水拭きで拭き取る必要があります。

い草

い草は変化しにくいものの、染料が退色してしまうかもしれません。特に濃い色は退色が目立つため、色付きの畳には使用を控えましょう。
また畳のヘリは、大きく退色する可能性があるため要注意です。

アルコール消毒液による変色に気を付けよう

家具に用いられる素材や塗装は、アルコール消毒液に耐性があるものもあれば、変色・劣化してしまうものもあります。
どのような素材・塗装が使われているか、チェックした上で消毒すると大切な家具を守れます。
また判断が難しい場合は、界面活性剤の使用もおすすめです。
製品に書かれた注意事項を確認の上で、消毒に使用してください。
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)「ご家庭にある洗剤を使って身近な物の消毒をしましょう」2020年6月26日版(参照:2022-3-8)
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)「有効な界面活性剤を含有するものとして事業者から申告された製品リスト」令和3年10月31日現在(参照:2022-3-8)
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)「NITEが実施した新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価に関する情報公開について」(参照:2022-3-8)

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最終更新
2022.11.24

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